おはよう玉

かなり以前に、落語の小話で聞いた話が忘れられない。 


冬の冷え込みの中、なにもかもが凍りつく。 
朝の挨拶「おはよう」も口から出た瞬間に凍りつき「おはよう玉」ができる。 それに答えた誰かの「おはよう」もたちまち凍って玉になる。 
いつのまにか「おはよう玉」いくつもいくつもできてそこらじゅうに浮かんでいる。 
春の呼び声が聞こえたある日、陽にあたって「おはよう玉」ははじけ飛ぶ。 「おはよう!」
そしてあちこちで「おはよう」「おはよう」「おはよう」と。


写真の出典はこちらです。 凍ったシャボン玉。