大津1920年代・魚屋


最近、我が家が懇意にしている魚屋さんがあります。 二ノ宮の漁場から直送で今、まさに旬を迎えたお魚が、これ以上望めないほど新鮮な状態で手に入ります。
週末、買ったのはメイタガレイ。 から揚げの熱々にレモンをジュッとかけて頂くと天下一品。
冷えた白ワインを頂きながら、舌もなめらかに。
母 「おいしいわねえ。」
私 「でしょ。魚屋の主人のおすすめよ。一枚150円でものすごくお得。」
母 「お屋敷町の上客がついているんでしょ? その魚屋さん。」
私 「確かに舌の肥えたグルメのお客が多いみたいだけど、新米の主婦にお魚をおろし方を伝授してくれたりしてるわよ。」
母 「昔は各家を廻って売る御用聞きが普通だったけどね。」
私 「私も覚えているわ。その日のお魚が経木に書いてあったわよね。 あの経木のにじんだ字!」
母 「注文するとその場でおろしてくれるから、私らはそれを見てお魚の扱いを覚えたのよ。」
私 「大津の家にも来たんだ。」
母 「湖や川魚を売る人と、海のお魚を売る人は別だったわ。 海は遠い大津だから、淡水魚が多かったわね。 鯉を洗いや、飴炊きにして。 大津の家に来ていた魚屋ね、鯉を目の前でさばいて、これが心臓、これが苦玉とか見せてくれるのよ。 その人ね、その苦玉を薬になるとか言って口にポイって」
私 「ゲっ、飲み込むの?」
母 「ね、気持ち悪いわよね。 そのうち、その魚屋、病気になって来なくなったのよ。 噂ではジストマにやられたって。」
私 「イキがってそんなもの食べるからよね。」
母 「その後、その魚屋の小さな子供が魚を売りにきてね。 箱の中の魚を見せて、じ〜っとお客の顔を見上げるだけなの。 もう、かわいそうで。」
私 「泣かせるわね。買わずには帰せないわよね。」
メイタガレイのから揚げ、あさっては大根おろしと煮て再度登場の予定。

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