いもがら


映画「武士の一分」(以前、見た映画です)
下級武士・三村新之丞は、毒見役というお役目で毒にあたり、視力を失ってしまいます。そんな夫を救おうとした妻・加世が上役の島田のワナにはまったことから、新之丞は妻への愛と己の“一分”を懸けた果し合いに挑んでいく……。  
映画の中で加世が「今夜はあなたの好きな芋がらの煮物でがんす」と、つましい夕食の膳を整える場面があります。 貧しくとも笑い声の絶えないこの家の幸せがさりげなく描かれていて好きなシーンでした。 この煮物が物語の最後に重要な役割を果たします(上の写真)。 感動的な結末に涙をしぼりならも、一度この煮物を食べてみたいなぁと思っていたのです

干した芋がらをぬるま湯でもどし、映画にはなかった油あげをきざんで一緒に炊いて、ちょっと栄養価を上げました。
私 「ウチじゃめずらしいでしょ、芋がらよ。ずいきとも言うわね。炊いてみたの。」
母 「うわ、懐かしい。 子供の頃にさんざん食べたわ。」
私 「っていうと、大津のおばあさんのおうちで?」
母 「そうよ、家の畑でじいやが育てていたの。 ものすごくたくさん植えてあるのよ。 ずいきも食べたし、お芋も食べた。」
私 「里芋なのよね。」
母 「おやいもって呼んでいたわ。 アクが強くてね、アクぬきが大変だった。 こういうおかず、東京からきた従姉妹たちは見向きもしなかったわね。」
なるほど、IRENEさんが都会色に染まっていないのはこういう栄養源があったからかもしれません。

しゃきしゃきと楽しい食感のいもがらの煮物をいただきながら、私はキムタク演ずる新之丞と檀れい演じる加世(本当にきれいだった!)の食卓を思い浮かべ、IRENEさんは大津の家の豊かな芋畑を思い浮かべていたのでした。


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