北米大陸横断鉄道1936年(その4):グランドキャニオン

母にとって、グランドキャニオンの記憶は鮮明のようです。

母「汽車は東向いて走ってたけど、グランドキャニオンに向かって別の線路が北に向いて出ていてね、終点のグランドキャニオン駅まで行くと、機関車は乗客の乗っている客車を置いて帰っちゃうのよ。次の日に別の汽車が来てね、客車を繋いでまた走るわけ。」
私「やはり大昔からある観光地だから、鉄道もお客の便宜を図るのね。」
母「グランドキャニオンには El Tovar って言うホテルがあったの。崖から落っこちそうなとこにある丸太の木組みが印象的な建物だったわ」
私「おお、そのホテル、今ではここいらで唯一の4つ星ホテルじゃないの! そこに泊まったの?」
母「それが良く思い出せない・・・どうだったかなぁ?」  ここの母の記憶はきっと景色ばかりに占められているに違いありません。 残っている写真もH家の家族の誰一人すら、人っ子一人写っていないのでした。
母「自然の雄大さにもう気圧されちゃったのね。地球ってなんて凄いんだって。 人間がちっぽけに見えちゃってアホらしくなるほどだったわ。」
私「テレビもない時代、滋賀の大津で大自然と言えば琵琶湖しか知らない田舎娘だったんですものねぇ。あの大地が引き裂かれ、吼えて立ちはだかったみたいな岩肌には圧倒されるしかないわね。」
かく言う私は本物のグランドキャニオンを見ていません。生きているうちに絶対に行きたい場所のひとつです。
  
下記公式サイトにて、グランドキャニオン鉄道の動画(TVコマーシャル)を観ることができますよ〜♪
http://www.thetrain.com/learnmore/