秩父丸1936年(その9):サンフランシスコ入港


私 「わ、この写真、パイロットボートだって。入港するときそこの港の水先案内人が乗ってくる船ね。セールボートだわ。どうしてかしら? この船が汽船に横付けして水先案内人がラダー(はしご)であがってくるのに、セールじゃ横付けが大変なはずよ。」
母 「どうだったかしらね〜?」
私 「ねえねえ、このゴールデンゲートブリッジの写真、なんかへんだな〜って思ってたんだけど、橋げたが写ってないわ。」
母 「そうだ、そうだ、思い出した! あのときゴールデンゲートブリッジ、未だ出来上がってなかったのよ。」
私 「へ?」
母 「そうなのよ。橋げたを吊り下げる鎖がわ〜っ何本もぶら下がっていてね、面白かったワ。 それでね、3年後に私だけ一人で大津のおばあ様のところへ帰ったとき、やはりサンフランシスコから秩父丸に乗って帰ったんだけど、その時には橋ができていたの。TONY叔母さん達他の家族が帰国するときはシアトルから出たから、橋を見ていないはずよ。出来上がった橋を見たのは私だけね。」
なんか嬉しそうに写真を見ていました。