ガルフアイランドへ


上:ガンジスハーバーの朝、水上飛行機のお客がそろそろ来るころだ。


「ねえ、クルージングに参加した人たち、帰国してこうして現実へ戻っていくけど、僕らはまだここにおって、こんな夢みたいな生活続けられる。 まだ、信じられんなあ」。 もう一人の訓練生のタケちゃんは、今の私の心境もずばり表現してくれました。
バンクーバーでのヨット遊学に参加してもうすぐ2か月。 2回目のロングクルージングからバンクーバーに戻り、日本へ帰国する他の参加者をお見送りした直後のことです。 この素晴らしい環境で毎日ヨットの練習ができる、海に出られる・・夢みたいな生活はまだまだ続くのです。
バンクーバー近辺の海岸線は地形が入り組み、また、西海岸の沖に横たわるバンクーバー島との間に多くの島々があります。 太平洋の荒波からは守られ、天候もほぼ安定しています。 しかも海岸線近くからも山岳地帯が望め、風光は明媚。 絵にかいたような絶好のクルージングエリアが、我が庭のごとく広がっているのです。  

上:クルージングの参加者全員でポジションをローテーション。インストラクターは手を貸しません。
2回目のロングクルージングはバンクーバー島の東側、ガルフアイランドの島々を巡る7日間の旅でした。クルージングのみ参加する方々も含めて訓練生は5名です。初対面ですが、わくわく感を共有すれば、すぐに打ち解けるうえ、トレーナーのボブさんと大自然の前での訓練では、どんなにおすましをしていても、性格も心持ちもすぐにバレバレになって、丸裸に・・いや、オープンになっていくのです。 
私とタケちゃんはスキッパー役とナビゲーター役を一日交代で受け持ちました。 今回は一日の航路は短くし、行程中のセーリング訓練がたくさん盛り込まれました。ISPAのベーシックコースで行われる訓練を実践の中で納得し、覚えるまで行われたのです。 「決められた物事にはすべて明確な理由がある。この理由をきちんと理解する。 理解していれば覚えていられる。 理解しなければ、覚えられず、誰にも理解されない、説得力がない、自分流になっていく。」また、「人間は間違いを起こす。必ず起こす。間違ってもダメージが少ないように常に配慮した行動を習慣づける。 クセにする。 よいクセをつける。 たとえば、シートなどのライン類を(ロッキング)クリートから外すときには必ずウインチにひとまきしてからはずす。 悪いクセはつけてはならない。 ついている悪いクセは必ずなおすように!」 とボブさんは何度も繰り返し語りました。 自分もいつのまにかロープ類を踏んでいたり、考え込むと周りが見えなくなったり、困った傾向があります。 船に乗っている間だけでも、切り替えて直さねばなりません。 

シーズンになると、ガルフアイランドなどバンクーバーからほど近いクルージングエリアは家族連れのクルーザーで賑わいます。 デイクルージングなんてとんでもない、クルージングに出ると、たいてい一週間は島々を巡って楽しみます。 以前、静かな湾でアンカリングしていると、おじいちゃん、おばあちゃんの二人連れが、自分たちの船からテンダーを漕いで息子一家のヨットに夕食に向かうシーンを目にしたことがありました。 また、ドッキングしようとドックに近づく船や、ムアリングブイを拾おうとする船で、ロープやボートフックを手にデッキに立っているのは、奥さんか息子だったりします。 今回もアンカリングした泊地でとなりの船から赤ちゃんの泣き声がしたり、近くのヨットから知らない人がホッケーの試合の結果を大声で教えてくれたり、なんとも微笑ましい光景を目にしました。 ここではクルージングはスポーツではなく、ライフスタイルのひとつなのです。


上:バンクーバー島の南部にあるブッチャート・コーブでアンカリングして一泊。 ここの桟橋から上陸するとそこは庭園で有名なブッチャートガーデン。アクセスはビクトリアから行くより便利でしかもカッコイイ!!

上:ブッチャート・ガーデン内で見晴らしの良いサンケン・ガーデン。 ピースサインはクルーズ&ラーン参加メンバーのかなえちゃん。

上:落水者救助(MOB)はポイントオブセールを体で覚える格好の練習。何度も繰り返されます。 優雅にセーリングしていると突然、浮きを投げられ、試されることも。

上:機走での落水者救助(MOB)のマニューバはウイリアムソンターン。 ヘルムはコンパスから目を離しません。できる限りシンプルに操船を覚えて、正確に行います。 

上:メイプルベイにて。美味しい地ビールにはナッチョス。ナッチョスの上に薬味とチーズをトッピングしてオーブンで焼いてあります。ポピュラーなおつまみ。左はチーフインストラクターのボブさん、右はクルーズ&ラーン参加者のYさん。

上:水上飛行機はここの一般的な交通手段。いつか乗りたい!!

上:ガンジスハーバー、水上飛行機発着所の朝

上:離陸シーン



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