悲しみのインディアン・アーム

バンクーバーの町の北部に、比較的少ない日数で、カナダらしい自然を存分に味わえる格好のクルージングエリアがあります。 それがインディアン・アームと呼ばれる場所。 バンクーバーダウンタウンの北部にバンクーバー・ハーバーがあり、そこは大型客船の停泊地や水上飛行機の発着所がありますが、ここは入り江になっていて、この奥がインディアン・アームであり、その最北部は船でしかたどり着くことはできません。 入り江ですので三方は山に囲まれ、海に流れ込む滝もあると聞きます。
バンクーバーに来ていたISPAの仲間のみなさんと2泊3日ででかけることになりました。  私とタケちゃんにとっては遊学中最後のカナダでのクルージングです。

上:今回の目的地である滝(Granite Fall)までの行程。 バンクーバー・ハーバーを間に2つのパスがあるため、スラックタイムが何時になるかで初日に行ける場所が限られる。 今回の初日はDeep Coveまで行くことになった。

上:2つのパスの間はだいたい3,40分かかる。この場合、条件のシビアな方のパスに時間を合わせて航行する。 セカンドパスには橋が2つあり、二つ目の鉄道橋を渡るときはハーバーのオペレーターにVHFで連絡をして橋桁をあげてもらわなくてはならない。 準備をしていたが、行ってみると橋桁は上げられた状態であった。 列車の通行はそんなに頻繁ではないらしい。


上:Deep Coveにドッキング 

上:ここはバンクーバーから陸伝いに来ることができるリゾート地。シーズンにはウォータースポーツのアクティビティも盛んとのこと。 日曜日なので観光客向けのマーケットや遊園地が開かれていた。 しかし、予報通り天気は下り坂。

ここで、トラブル発生。ヨットのギアを後進に入れるとエンジンがストップするようになってしまいました。 前進はなんとか回る。 ギアもスムーズに入らない。 
タケちゃんが「ペラになんかからんでるんじゃ・・」と推測。 翌日、ヨットを上架させるため、雨の中をヨットをだましだまし、グランビルアイランドのボートヤードまで帰ることになった。 

上:遊学期間中、初めての雨の中のクルージング。 ボブ校長はオイルスキンが行方不明のため、タケちゃんのギアを着ている。 着る人が違うと印象が違うなあ。

言ったってはじまらないから、グチは禁物。 乗っていれば楽しい。それになんてったって、訓練ですから。ワッチに集中しましょう。

上:周りは灰色の雨模様。 目に痛いような硫黄の山。 非水溶性だから野ざらしになっている。 ここからアジア方面に運ばれるらしい。 肥料、火薬、薬品・・様々な製品に姿をかえるのだろう。

上:グランビルアイランドに到着。その時点でヨットは前進もできなくなっていた。 よくぞ、ここまで帰れたものだ。あげてみたら・・・

上:プロペラは、回ると羽が水をかき分けるようにフェザリングするマックスプロップ。 このフェザリングする羽と回転芯部の間に縄が深く噛んでしまっている。 隙間をドライバーでこじ開け、二人がかりでやっと抜くことができた。 縄の種類から、蛸壺か、網かの雑策をどこかでひっかけたと思われた。 これだからウォッチは大切なのだと痛感。 ついでに船底の高圧洗浄とジンクを交換。

上:船をホームポートに戻し、荷物を持って下船。 翌日、時間があるので、ボブ校長がノースバンクーバーのサイプレスマウンテンの方面へ連れて行ってくださることに。

上:サイプレス・マウンテン・バンクーバー・アウトルックからの眺め。 南側にスタンレーパークの森が見下ろせる。

上:バンクーバー・ハーバー。9月になればカナダを離れてしまうのだ。そんな感慨も心をよぎる。

今回、インディアン・アームには行けなかったけど、これは、またカナダに戻ってこいってことなのかも。




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