バンクーバー・ヨット遊学「プリンセス・ルイザ」その3



美しく、静かなプリンセス・ルイザ・インレットには2泊しました。 妖精が棲むような深い森を歩いていると、現代人が如何に無防備で儚いか思い知ります。 
夜半に降った雨は山の頂きに雪を残していました。来る時とは違いまた一段と美しい山並みです。 緑深い山にベールをかけたような霧に、日が差して虹が彩を添えていました。頭上にアメリカの国鳥である白頭鷲が姿を現しました。 なかなか高貴な姿です。

上:岸部の岩にチェーンをかけ、スターンラインをとる。
さて、次の泊地はジャービスインレットからホットマンサウンドに入ったところに位置するハーモニーアイランドです。ここはではアンカリングしました。 アンカリングにおいてスターンラインをとるとき、陸地の木々にむやみにロープをかけることはできません。陸地の持ち主のものなので、自由にできないのです。ただし、満潮時に隠れるものについては公共物とされるため、こちらにはロープだろうが、チェーンだろうがかけることは原則許されます。 この日も満潮時には沈んでしまう岩にチェーンをかけ、それにスターンラインを通しました。


上:フレンチマンズコーブの入り江側からハーフムーン湾方向を見る。狭く、浅く、岩もある。ナビゲーションの上級コースと見ました。
この翌日に行ったのはハーフムーンベイから切り込んだ小さな小さな入江のフレンチマンズコーブです。 穴場中の穴場とのことのですが、初めて訪れた人には入口がどこだかチャートではわかっていても、肉眼で地形を見るとさっぱりわかりません。 でも、チャート上で目標物を決め、コーブの入口と結んだラインを引き、そのベアリングをとりながらラインに沿って岸に近づくと目的の場所にたどり着くことができます。 しかし、この日は海のうねりが大きく、ハンドベアリングの振れ幅が大きく、ちょっとたいへんでした。 また、入口に入るときは、予めその時点のタイドを計算し、チャート上の浅い場所の水深を計算し、デプスを見ながらウォッチを立て、ゆっくりゆっくり前進していきます。 浅い場所をクリアできればちょっと安心。 自分たちだけでは、まだとてもできませんが、これもナビゲーションの醍醐味だと思いました。 

上:ハーモニーアイランドにある秘密の島。横も足の下も牡蠣でいっぱいです。 
こうして苦労して行くには理由があります。 前者のハーモニーアイランドには牡蠣が採り放題、後者のフレンチマンズコーブでは特大の牡蠣と太った浅利が採り放題なのです。 古代から食料を漁るのは人間の性であります。

上:フレンチマンズコーブでの浅利採り。 ぬかるみに足を取られながら、我を忘れて堀まくるメンバーたち。

上:牡蠣はそのまま蒸して頂きます。


上:タケちゃんと私は実は牡蠣が苦手。なのに、ほかのメンバーが最後には怒るほどたくさん食べました。

浅利は砂出しに普通3日はかかりますが、最終日に食べられるようにボブさんが3時間おきに水を替えて、1日半で砂出し完了。素晴らしいスキッパーです!

ワイン蒸しにしてたらふく食べた後は残った浅利エキスでスープスパゲティ。

豊穣の海に感謝!

今回のトレーニングでは最初のロングでしたが、天候に恵まれ、とても充実した旅でした。
おしまい。

お知らせ:バンクーバー・ヨット遊学はまだ募集中です。一週間のコースもできました。 こんな機会、こんな場所、ほかにないと思います。 私たちだけだともったいない! こちらをどうぞ。
http://www.windvalleysailing.com/WindValleySailingSchool-Home/join-course

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ヨットへ ←ポチっと押してくださいませ。